2011年1月10日月曜日

星霜移り人は変われど…

ついさっき寒いところからもどって来ました(笑)。

帰りの新幹線で「来月の今頃は、もう医進のみんなと会えなくなっているのだろうな」と思い、夕闇迫る外の景色をみながら感傷的になってしまいました(笑)。

思えば私の仕事は毎年同じことことの繰り返しなのですね。
今日のブログも以前の投稿に若干の修正をしたものです。ちょっと季節は早いのですが、ご勘弁ください。

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昨日は桜が満開でした。

私の自宅の傍には、桜で有名な公園があります。好天に恵まれ一日大賑わいでした。

私の二つ目の母校であるICUにも大変に有名な桜並木があります。「滑走路」という名前のメインストリート(戦争中は中島飛行機という会社が実際にゼロ戦などを飛ばしていたといううわさがあります・(笑))がそれです。

三つ目の母校である上智大学の正門前の土手にも桜が見事にし咲いていました。

そのくせ、最初の母校の青山学院には桜並木らしきものがありませんでした(あったのかもしれませんが、忘れてしまいました)。青学はやはり「つたのからまるチャペル」と「イチョウ並木」ですね。

私が今いる早稲田ゼミナールには小さな中庭があり、そこには大きなくすのきがあります。

私の母校や早稲田ゼミだけでなく、学校と言う場に樹木は欠かせないようです。上智に行っても、ICUに行っても、青山学院に行っても、同じく思うのは「自分がここにいたとき、ここで勉強していたとき、この木もここにあった」ということです。私だけでなく、皆がきっと同じことを思うからでしょう。

早稲田ゼミのくすのきは、これから先どれだけ多くの卒業生を見送るのでしょう。その卒業生がいつかここに戻ってきたとき、どんな思いでこのくすのきを見上げることでしょう。

自分がここで勉強をしていた、そのはるか前からここにあり、おそらくは自分がこの世にいなくなってからもここに立ち尽くすであろう、この大きな木に、人は「永遠」を見るのだ、と言ったらいささかロマンティックに過ぎるでしょうか。

「星霜移り人は変わる。だがこの世の中で変わらないもの、それはひたすらに真理を求めて勉強に打ち込む君たち青年のすがすがしい姿だ。私はそのためにここにいる!」と、早稲田ゼミナールの今はなき名物講師、志賀武男先生から励まされたのがつい昨日のことのように思い出されます。

医進塾の新入生諸君も、きっといつか立派な医師、獣医師となってここに戻ってきたとき、合格目指してひたすらに自分を鍛え上げていた若き日のことを思い、このくすのきを見上げるに違いありません。そしてその時、かつての苦しかった一年を、自分の一生で「一番長く、一番短かった一年、そして一番素晴らしかった一年」として思い起こすでしょう。

もちろんそのころには、私はこの世にはいないでしょうが(笑)。

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この時期は私たちににとって最も緊張し、気持ちが張り詰める時期です。塾生の代わりに試験を受けてやりたいと、どの先生方も思っていることでしょう。

でもそれはできないことです。

塾生人は一人で試験場に行き、一人で問題に向き合わねばなりません。

でも彼らは一人ではない。今の自分は未来の自分につながっており、未来の自分は数え来れないほどの患者さん、動物とそれを取り巻く人々につながっているからです。

その思いを持てた時に、塾生たちは本当の意味で「医師」「獣医師」として自立する第一歩を踏み出したことになるのだと、私は確信しています。