前回と同様、過去ログの再録です。
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以前全米スピーチコンテスト優勝者(アメリカ人です)とお話しする機会がありました。
彼は30歳の時に一念発起して「人の前に出てあがらないでしゃべる方法」つまり「スピーチ」の勉強を始めました(アメリカ人ですから使う言葉は英語です)。一ヶ月に数回、仲間の前で内容のあるスピーチをする訓練に明け暮れましたが、なかなか全国大会での入賞・優勝のチャンスには恵まれませんでした。
彼が全米のスピーチコンテストで優勝をつかんだのは、なんと63歳の時!!
スピーチの勉強と練習・訓練を始めてから30年以上の時間がたっていたのでした。
「30年間負け続けて、よくそれに耐えられましたね?」という私の質問に対する彼の答えが、タイトルに書いた「『勝てなかった』は『負け』じゃないよ(Not winning is no losing!)」というものだったのです。
「優勝できなかったとしたらそこには何か原因があったはずで、それがわかればその次はそのミスをしない方法を考えればよい。優勝できなかった、入賞できなかったということはその結果に過ぎない。大事なのは努力のプロセス。前を向いて努力している限り、『優勝できなかった』ことは単なる一つの通過点に過ぎない。だから『負け』ではない」
私はこの言葉に、心の底から感動しました。
彼の言葉を逆に言えば、「もうダメだ、自分には能力がない、努力しても入れるはずがない、できるはずがない」と、自分の潜在力に対する信頼感をなくしたときが「負け」の瞬間なのだとも言えるのではないでしょうか。
医進塾の塾生は、一度は入試に「勝てなかった」経験を持つ人がほとんどです。
でもそれは「負け」ではない。
明日への希望と、今のやる気、昨日にとらわれないチャレンジの精神がありさえすれば、一度の「勝てなかった」は、必ず次の「勝てた!」につながって行くものなのだと、改めて思った次第です。
そしてその「勝てた!」も、決して「人生の結論」などではなく、乗り越えて行くべき一つの道しるべに過ぎないものとして将来考えられてゆくものなのでしょう。
若いということはすばらしいことなのですね(笑)。
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いままでに書いたものを読み返すと、私は同じことを繰り返し、繰り返し、書いているようです。
人生って、そして勉強って、結局は同じこと、本当に大事なことはそう多くはないということなのでしょうね。