普段の日本語を頭のなかで、
「これを英語で言うとどうなるか・・・」
と自然に考えるようなクセがついてしまっているようです。一種の職業病かもしれません(笑)。
英語国民も日本語国民も、人間であることに変わりはありませんから、大体の事柄は「一対一対比」(one-to-one correspondence)で、表現が可能です。
でもたまに、なんと言ってよいのか皆目検討がつかない表現もあります。
私にとっての「不可能表現」(笑)は、
「頑張れ!」
でした。
辞書を引くと、
「Keep it up!, Do your best!, Don't give up!, Keep fighting!」等々、ヒットするのですが、
「どうも、何か違う」
という思いが頭を去りませんでした。
職業柄、「頑張れ!」をよく使うからかもしれませんが、ただ目的意識もなく「頑張れ!」を連発するのは、不毛な精神主義のようでどうも意に沿いません。
「どうしたものか・・・」
と思っていたときに出会ったのが、
「Try (it) on!」
でした。これはかなり「頑張れ!」のニュアンスに近いと思います。
ただ、すこし語感が強すぎるかなというような感じも受けます。
いろいろな人と話しあった結果、まあ、これではないかということで落ち着いたのが、
「You can do it!」
という、なんでもない表現だったのです。
ごく普通に使う表現ではありますが、改めてよく考えてみると大変に「奥が深く」感じられます。
Keep it up!, Do your best!, Don't give up!その他の言い方は、すべて応援している相手に対する「Push forward」な表現です。
いうなれば、
「頑張ってやってもできるかどうかわからないけれども、とにかく今は全力を尽くしなさい」
というような言い方です。
それに対してYou can do it!は、
「君にはできるのだから、やり続けなさい」
という、相手の能力、エネルギーに対する基本的な「信頼」があるのではないか、と思うのです。
改めて、
「よい表現だな」
と思います。
そこまで考えて、改めて「頑張る」を辞書で引いてみました。
「が(我)にはる(張る)の音変化」
なのだそうです(笑)
ということは、先ほど書いた「Keep it up!, Do your best!, Don't give up!」と、結局は同じことだったというわけです(笑)。
「頑張れ」に、若干の消極性(目的と信頼の欠如)を感じたがゆえに、別の表現を探してみたくなったのは、完全に私個人の思い入れ先行だったのだということが判明した次第です。
でもやっぱり、医進の塾生には、ただの「頑張れ」ではなく、彼ら彼女らの本質的なポテンシャル(潜在能力)を信じた上で、
YOU CAN DO IT!
と、最後までいい続けてやりたい、と思います。