今日のHRでの私の話の概略です。
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「医進11の皆さん。
今日から後期が始まります。
後期は9月から1月まで。その間に冬期講習、冬期合宿、直前講習を含みますが全部で5ヶ月です。4月から8月までで5ヶ月ですから、期間的にはそれと同じ時間を入試まで君たちは持つことになります。
時間的には前期と後期は一対一。1+1=2で、二倍にしかなりません。
日本全国の医学部・獣医学部受験生がその間なにもしないでいて、皆さんだけが勉強しているのならば1+1=2の時間で十分に合格できるでしょう。
でも現実はそうではありません。
なんとしてもこの期間を学力面では「1+1=3、4、あるいは5にしてゆかねばならないのです。
ではそれをどうやって可能にするか。
『め組の大吾』という漫画があります。消防士の大吾くんがあるとき一念発起して消防士のエリート中のエリート集団であるレスキュー部隊に志願するという漫画です。
試験前日の緊急出動で、徹夜で山火事の被災者を救出した大吾くんは、そのまま精神的にも体力的にもぼろぼろの状態で試験場に向かいます。
最終的に何とか合格を手に入れる大吾くんなのですが、その受験の姿(100%体力勝負の試験です)を見て、ある試験官がふとつぶやくのです。
「ほかはみな『試験』を受けているだけなのに、こいつだけ『(火事)現場』を戦っていやがる・・・」
私が今日皆さんにこれだけは申し上げたかったことがこのことなのです。
今日からの授業ではさまざまな問題演習がなされてきます。その問題を見た瞬間の皆さんの気持ちはどんなものでしょう。
「この問題が入試に出たら、どうやって解くか」
こういう気持ちになっているでしょうか。
『単なる今日最初の問題』になっていないでしょうか。
最後の問題が配られたとき、
「あと5分しかない。この問題をなんとしても解く!」
こういう気持ちになっているでしょうか。
『単なる今日最後の問題』にはなっていないでしょうか。
常に自分が入試の現場にいるという意識で問題にぶつかること、これが『(火事)現場』を戦うということです。
そしてこの臨場感と緊張感が、先ほど言った1+1という単純な計算の答えを3にも4にも5にもしてゆくものなのです。
後期が始まるこの時期に、私はこのことだけは皆さんにお伝えしておきたかったのです。
少し重い話になって申し訳ありません。でも事実は事実としてしっかり認識してください。
今日も一日が始まります。今までの人生の最後の日、そしてこれからの人生の最初の日として、真剣に向かい合いましょう。」