今朝は遅刻が6人でした。
やむをえない遅刻(事故や車両故障他)は1名でしたので、5名が単なる「だらしなさ」での遅刻ということになります。
『だらしなさ』というと言い過ぎかもしれませんが、少なくとも周りからは、
「そう見られる」
ということは覚えておかねばなりません。
私がICUで心理学の勉強をしているとき、時間に大変厳しい「大脳生理学」のA教授という方がおられました。ICUはキャンパスが広いので移動に時間がかかります。その先生の授業に1分遅れて教室に入っていったとき、私は予想をはるかに超えて厳しく叱責されたのです。
おそらくその時の私の表情に「たった1分じゃないか」という『反抗心』(笑)が表れたのでしょう、A先生は次のように私に言ったのでした。
「外山君、君に聞きたいのだが、緊急時、1分間で人間の身体の中にどのような変化が起こるか、正確に教えてくれないかね」
私は一言も言い返せず赤面するばかりでした。
A先生が私たちに伝えたかったことは、単に機械的に時間を守るということだけではなかったと思います。臨床医として患者に接している場合、1分という時間がどれほど貴重なものであるかということを、学生のうちに理解させたいということだったと、今にして思い当たります。
遊びに時間を使うのならば1分や2分の差はどうということはありません。
ですが、将来動物や人間の『生命』に、直接かかわりを持とうという決心をしている人たちにとっての1分とは、まさに「生と死」を分ける分水嶺になる可能性がある、そのことをきちんと理解ができているか、私たちは常日頃自分に問いかけ続ける必要があるのではないでしょうか。
朝の遅刻の多さを思うたびに、A先生の教えを思い出すこのごろです。