合宿三日目が終了しつつあります。現在理科3科目のそれぞれの「SC」(質問時間)となっており、先生方が学習事項の確認をしているところです。
明日の午後から「英語」が入ります。同時に「単語暗記確認テスト」も実施されることになっています。
今までは「数学」や「理科」に追われて単語の暗記まで気持ちが回っていなかった人も多いようですが、いざ明日から
「テスト!」
となると、そうも言っておられなくなり、夕食後の休憩時間等を使って暗記の確認に入っている生徒もちらほら見られるようになりました。
昨日のHRで私は
「集中力とは何か」
について全員に話をしました。「集中力がない」「集中力が持たない」「集中力を身につけなければ」等々、生徒と話をしていると良く聞く言葉なのですが、それでは、
「集中力って、そもそも何のこと?」
と聞くと、答えられない人が多いからです。
心理学ではすでに答えが出ており、集中力とは一言でいうと
「選択聴取力」
のことです。
主として耳から入ってくる外界情報を、その時の自分の仕事(あるいは状況)に関係の深いものから順に「有意味な情報」として認識し、関係性の低いものは「雑音処理」して脳への負担を最低限に抑えることのできる能力のことを言います。
会議の内容をICレコーダで録音して、それを後から聞くとその時は気にならなかった様々な雑音が拾われて録音されており、おどろいたという経験をお持ちの方も多いと思います。
ICレコーダは「選択聴取」してくれないからです(最近は人間の声のみを拾うようなデバイスもできたようですが)。
この能力は大脳皮質の働きによるものです。ですから「鍛える」ことができるのです。いやむしろいやしくも命に関係のある職に就こうとするものであれば「鍛え」なければならないものだともいえます。
この能力を鍛えておけば、将来どんな雑音にさらされても自分の仕事にそのままストレートに入ってゆくことができるようになるでしょう。この場合の「雑音」とは本来的な「音」の場合もあり、また種々様々な「人間関係」の比ゆ的な「雑音」のこともあるのです。
ですからそのためには「合宿」のような場で、極限状態を人工的に作り出し、その中で練習し、鍛えることが一番の近道でもあります。
今までもそうでしたが、明日からはいよいよ単語暗記チェックという、「集中力」がなければ絶対に乗り切れないハードルが課されます。
疲労がたまり、体力的にも「ベスト」とは言い切れない状況の中で、どこまで先に行けるのか。いよいよ合宿後半へ突入です。