2012年5月12日土曜日

コミュニケーションプログラム(C/P)本格開始

土曜日の午後は「コミュニケーションプログラム(C/P)」が置かれています。C/Pはただの面接練習ではありません。自分の伝えねばならないことを,相手を良く見て(場合によっては質問という形式で引き込んで),伝達してゆく練習です。

今日は実質的な第一回(前回は総論)でした。塾生各自が自分の問題点を自分なりに調べそれを皆の前で発表します。

中学校や高校の「研究発表」ではありませんから,調べてきたことを一方的に相手に向かってしゃべってもダメです。自分の調べてきた内容を,どうすれば相手に聞いてもらえるのかを考えなければなりません。

そのために一番大切なことは,

相手の利益になる

ことを話すことです。ではどうすれば相手に「(この話しをきくことは)利益になる」と思ってもらえるのでしょう。

自分の問題点を,相手の問題点に重ねることです。

聞いている人の問題点を,自分の問題点の中に吸収する,と言い換えてもかまいません。

今日の最初は

『院内感染』

のレポートプレゼンでした。この場合も,単に「院内感染は大きな問題です」と言っても観客は聞いてくれません。

まず初めに,

皆さんは何のために病院に行くのですか?自分では治せない病気を治してもらいにですよね

と相手に「同期」します。次に,

病気を治してもらいに病院にいって,そこで病気をうつされたら,何のために病院に行ったかわかないことになるんじゃないでしょうか?

と,問題点を指摘し,その後,

実際に日本ではこういうことが頻繁に起こっています

と問題点を提示し,

これを『院内感染』と言います。今日はこのお話をさせてください

とまとめてイントロダクションをクローズするのです。

当然この後には『院内感染』の具体的な例が続くとよいでしょう。

これは一例に過ぎません。このような形で自分の言わねばならないことを相手との同期作用を継続しながら続け,最終的にどこまで言えばいいのかを判断してゆくのです。

ここまででよく理解していただいていると思います。C/Pは決して「口先三寸のごまかし」を訓練する場ではありません。全く逆です。本質的な研究と思索・施策が裏にあり,それをどのように相手にそのまま伝えるかが一番大事な点なのです。

「この人の言うことを聞くことは自分にとって利益になるのだ」

と思わせること,それは全ての場合に通用するコミュニケーションの本質だと私は考えています。

そんなことを,毎週C/Pの授業では繰り返しています。