受験勉強の期間は,
「常にだれかから評価され続けている期間]
と言ってもよいでしょう。
別に私たち教職員が塾生の「人事考課表」をもっていつも見張っているということではありません(笑)。
自分の学力,学習結果が定期的に「得点」という数値で表されるということなのですが,その得点にはその塾生のそれまでの学習行動の全てがかかっているということもあり,
「常に誰かに見られている」
という気持ちになりやすいということだと思います。
このような生活をしているとつい陥りがちになるのが,自分の生活全体を
「減点法」
で見がちになるということなのです。減点法とは,
「今日はあれもできなかった,これも中途半端だった,あの問題集にも手を付けられなかった,あの参考書も読めなかった・・・」
という見方で常に自分と自分の生活を見ることを言います。
これが結果への反省と将来への努力につながってゆくのならば文句ないのですが,大体のところそうはならず,
「だから自分はダメなやつだ」
というような,極端な
「自己否定」
につながってしまうことが殆どなのです。
「そうではない!」
と私は塾生に言わねばなりません。
「授業が全部分からなかったわけではないだろう,分かった部分もあったろう,先生方の説明が100%理解できなかったわけはない,分かった部分だってあったはずだ,学習予定と計画には届かなかったかもしれないが,できた問題もあるはずだろう,何よりも君は今日一日,きちんと医進塾で勉強ができたじゃないか,それを積み重ねてゆけばよい。悪い点を見つければ山ほどある,だが良い点を見つければ,それもまた山ほどあるのだ,悪い点だけ見てよい点をみないのは,自分の人生に対する冒涜ではないか」
こんなことを,私はいつも塾生に言っています。
良い点を見つめて,今日一日勉強に打ち込めたことに感謝しつつ,悪かった点は一つずつ乗り越えてゆくような,そんな,
「なんでもない,ごくありふれた日常」
が,最終的に「合格!」へとストレートに結びついてゆくような生徒の例を,私はこれまで数限りなく見てきました。
毎日100点はとれないかもしれない,でも80点の生活を365日続けることのほうが,今日は100点,明日は0点の生活を続けるより,ずっと落ち着けるし,落ち着いた生活をすることが充実した生活をすることにつながるし,それが結果として成績の向上にも,その結果としての「合格!」にも結びついてゆく,一番の
「近道」
なのだと思うのです。
「減点法は止めよう,加点法で生きよう!」
改めてそういいたいと思います。