2011年4月21日木曜日

年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず・・・

はるか昔、高校の漢文の時間に教わった漢詩です。

古人こじん洛城らくじょうの東に無く
今人きんじんた対す落花の風
年年歳歳花相似たり
歳歳年年人同じからず
げんす全盛の紅顔の子
まさあわれむべし 半死の白頭翁はくとうおう

この「年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず」の部分はよく引かれる部分ですね。毎年新しい医進塾生を見るたびに、私の頭に浮かぶのはこの句です。

花は毎年同じなのに、人は違う・・・この事実の恐ろしさに愕然とします。

「全盛の紅顔の子」は、まさに今いる塾生に違いありません。私などは「半死の白頭翁」(笑)というところでしょうか。


今年の塾生は、例年になく


「おとなしいし、真面目ですね。勉強はすごくするようです。でも盛り上がりに若干欠けるかな」


ということなのだそうです(講師の先生方の話)。


必ずしも「大人しさ」が悪いわけではありません。真面目で素直であればそれはベストだと思います。
でもそれに満足してもらいたくはない。今年の塾生に私が言いたいこと、それは「半死の白頭翁」になるまでに、気持ちの「強さ」を身につけて欲しいということなのです。


気持ちの強さは、特に「生命」に関わる仕事をする人には絶対に必要な資質です。患者さんや病気の動物たちから発せられる「負のエネルギ-」にさらされるのが医学者、獣医学者の宿命です。それに負けず、回復・健康へと彼らを導くためには、まず自分たちが強くなければなりません。


でも、人としての強さは医師、獣医師の専売ということはありません。どのような分野に進むとしても人間である以上「悪と闘う」強さを持たねばならないのです。


毎年毎年、中学・高校、そして医進塾で同じことを言い続けて、もう30年経ちました(笑)。
最初に教えた子供たちは、もう50歳を超えているころです。


彼らも自分の子供たちに「強くなりなさい」と教えてくれているだろうか、そんなことを思うのも、4月という月のなせる業なのかもしれません。