Aさん「先生・・・あの・・・」
私 「どうしたの?」
Aさん「ご相談が・・・」
私 「いいよ、お入り。どうしたのよ」
Aさん「言いにくいのですが・・・」
私 「何だよ、勿体つけて(笑)」
Aさん「実は・・・」
私 「はい」
Aさん「自習室に・・・」
私 「うん、自習室に」
Aさん「・・・幽霊が出るんです・・・」
私 「・・・え?」
Aさん「・・・カサカサっていう紙をめくる音がすることが・・・誰もいないはずの壁の向こう側の席か ら・・・」
私 「・・・」
Aさん「隣の食堂でコツコツって、歩く音が微かにすることもあります・・・」
私 「・・・」
Aさん「・・・怖いんですが・・・」
私 「・・・まぁ、そりゃねぇ・・・。怖いでしょうねぇ・・・」
Aさん「・・・誰もいないときに限ってなんです・・・」
私 「自習室に誰もいないときって、そんな時あるかな?」
Aさん「めったにないんです。だから逆に狙われているようで、怖くて・・・」
私 「う~ん、あの自習室作ったばっかりだからかなぁ、そんな話は聞かないなぁ・・・」
Aさん「今までもあったのかも。私ってけっこう霊感が強いんです」
私 「そっかぁ。でもどうするかなぁ。ゴキブリ駆除剤はあるけど、幽霊駆除剤ってないものなぁ・笑」
Aさん「先生!笑ってる場合じゃないんです!なんとかしてください!」
私 「オッケー、じゃね、僕の十字架であのあたりを清めてあげるよ。僕のじゃ効くかどうかわからないけれどさ・笑」
Aさん「お願いします!」
###########
・・・というような会話が3年前にありました。
結局この幽霊話は、周りの人たちに聞いた結果
「そんな音は聞いたことがない」
ということで、本人の空耳ということになりました。
でもAさんが怖がるとかわいそうなので、そのときの室長さんや友人が席を替わって彼女のそばに座り、それ以来とくに問題なく過ごしていたようです。
私は個人的には幽霊の存在を信じています・・・というよりも存在しないという証明ができないので、否定する必要もないと思っているだけです。
幽霊を怖いと思ったことはないので、いてもいなくても、
「べつに~」
というところでしょうか(笑)。
もう何年も前、『貞子』とかいうホラー映画がありました。主人公のさだこさんが自分の埋められた井戸からクネクネ這い上がってくる姿があまりに可笑しかったもので、見ながら笑ってしまって、周りの人から怪訝な顔をされたことがあります。
幽霊だの霊だのっていうのは、基本的に人間に何かをするわけではないので(見た目がグロテスクなだけですよね)、いようといまいと、淡々としているのが一番だと思います。
人間や動物の
「生と死」
の狭間にいるのが仕事のドクターや獣医師になろうかという医進塾の生徒にとって、幽霊だの霊だののことを本気にするのは
「怪力乱神を語らず」(論語)
の精神に反します。
幽霊や霊は、たとえいたとしてもドクターや獣医師の「診察・治療対象」にはなりません(笑)。
そのあたりをよく理解して、
「(いてもいなくても)べつに~」(笑)
の態度で立ち向かってもらいたいものです。
PS
昨年医進にいた現役生のOさんは、当初医学部志望だったのですが、将来ドクターになって病院勤務になれば、当然のことながら病院内の霊安室のそばを歩かねばならず、
「それがいやで」
医学部に十分入ることのできる学力を持ちながら、薬学部に進路変更したということがありました。怪力乱神もバカにはできませんね(笑)。