2011年7月31日日曜日

心の強さ(HR講話より)

30日(土)のHRでお話しした内容に手を加えたものです。

同じようなことは今までにも何度も言いました。

夏を前にした今の時期、改めて全員に伝えたいと思ったことです。

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皆さん、おはようございます。

今日で実質的に7月が終わりです。
思えば7月という月は、いろいろな変化が目白押しでした。

第1週末で1学期が終わりました。
第2週から「Pre-夏期講座期間」が始まりました。
第3週末には「英単語暗記特訓講座」「数学計算力特訓講座」が開講されました。
そして第4週、夏期講座(三日単位のPin Point Attack講座)が始まっています。

来月の今頃は「夏期合宿」が終了し、後期開講に向けてそれぞれが綿密な勉強の計画を立てているころだろうと思います。

激動の7月が終わりますが、おそらく今皆さんの心の中には「不安」がいっぱいあるだろうと思います。
基礎力、つまり各教科、科目の基礎的事項がすべて頭の中に入っていなければ9月からの「応用力養成学期」にはついてゆけません。自分には果たしてその力があるだろうか、受験生ならば誰でも感じることではないでしょうか。

「不安」に耐えるには「心の強さ」を持たねばなりません。生きてゆく限り人は何らかの「不安」を抱えて進むのです。まったく不安を持たない人は、本当に深い宗教的な「悟り」を持った人か、あるいはただの「子供」にすぎません。

私は文系の子供たちにもよく話しをする機会があります。「心の強さ」ということについて、同じことを言うこともあります。

文系の方にとっての「心の強さ」は、「あれば良いが、なければないで何とかなる」ものです。もともといろいろな人がいるということを認めるのが文系の学問の大前提です。「強い人」ばかりでは文学は成り立たないし、政治学も経済学も立ち行きません。いろいろな人がいて、それを前提にして、かつその中でどうやればうまくやって行けるのか、いろいろな人がどうすればそれぞれに「幸福」になれるのか、を追求するのが文系学問の本当の基礎であるはずです。

でも理系の方、特に皆さんのように将来医師、獣医師になることが決まっている方の場合は、そうではないのです。

人の命、動物の命と、真っ向から向き合うにはどうしても「心が強く」なければならないからです。

「心の強さ」がなければ、命と向き合うことはできないのです。

自分の目の前に横たわっている患者さん、患畜(動物)の身体に、「弱い心」でメスを入れられるでしょうか。

何らかのやむをえない理由で動物の命を奪わねばならないとき、「弱い心」でそれができるでしょうか。

「病気がつらくてもう死んでしまいたい」という患者さんに対して、「弱い心」で「一緒に頑張りましょうね」と励ませるでしょうか。

人や動物の「生命」に深くかかわりを持とうとする皆さんには、心の強さは「必須」なのです。そこが文系の方々とは明確に異なる点なのです。

今皆さんは、夏期講座・合宿を前にして、自分の勉強のことで「弱気」を抱えていると思います。ここが、今が、踏ん張りどころなのです。ここを乗り越えて先に行くこと、これが皆さんの将来につながってゆくのです。

危機に瀕した人や動物の命を救おうとすることに比べたら、自分の勉強の成績が一時期思ったように上がらないくらいなんでしょう。どんな意味を持つでしょう。

皆さんの将来には、皆さんとの出会いを待つ本当にたくさんの患者さんや動物がいるのです。それらの患者さんや動物・蓄主の「未来からの期待」に、いま皆さんは応えようとしているのです。

どうか「不安」に負けないでください。むしろ「不安」の中にある「可能性」を知り、それを自分のものにする「心の強さ」を持ってください。

それが皆さんの将来への大きな夢につながっていることを、私は信じています。

頑張ってください。