2011年3月8日火曜日

Experience teaches only the teachable.” - Aldous Huxley

表題の言葉、Experience teaches only the teachable.”はハクスレーの言葉です。「経験が教えることができるのは、教えられる能力のあるものに限られる」とでも訳せるでしょうか。

※the teachableは「the+形容詞」⇒「形容詞+things, people」で、この場合は「教えられる能力を持ったもの」の意味です。

※ついでに言えば、-ableは「~できる」という意味を作る接尾辞です。同時にそれがつく動詞を受動態的な意味合いにします。Readableは「読める」ではなく「読まれ得る」が正確な意味ですし、governableは「統治能力」ではなく「被統治能力」、つまり「管理・指導されやすい」という意味になります。

これは考えようによっては怖い言葉です。いくら経験をつんでも、「教えられる能力のないもの」は学習効果が上がらないといっているからです。

「経験は最高の教師である。だが授業料が高すぎる」(カーライル)も、もしかしたら同じことを言っているのかもしれませんね。

ではこの「教えられる能力」とは一体なんでしょう。

まず「素直さ」が筆頭に上げられます。教えてくれる内容をそのまま、とにかくきちんと理解して頭にいれる作業なしには、物事は先に進まないからです。だから「素直な子」はイコール「良い子」として学校という場所では長く評価されてきました。

医進塾でもこの「素直さ」を重視することに変わりはありません。

ですが、ことの善悪・善し悪しに関わりなく、すべてのことに「素直」であることが、求められる最上の態度であるわけではありません。

「分からない」は「分からない」でよいし、「分からない自分」に対する「素直さ」もまた、学習においては強く求められる態度なのです。「分かったふり」をするほど勉強の阻害となるものはありません。

「分かる」ことは一つのプロセスです。だんだんに理解できてくるその過程を、落胆せずに楽しむゆとりがなければなりません。理解のプロセスを重ねてゆくその過程の中のある瞬間に、それ以前の自分とは別の自分として成長できたという実感がわくことがあります。その瞬間への期待も、常に持ち続けていなければなりません。

努力する限り人は成長し続けます。まず「素直に」、かつ素直になりきれない自分にも「素直に」、そして成長を実感したときにそれをそのまま喜べる「素直さ」、それらを持つことがteachableになる一番の近道なのだと思います。

思い返せば、私は決して素直な学生ではありませんでした(笑)。素直でなかったために本来学べるたくさんのことを学び損ねてきました。

私と同じ失敗を、医進塾のみなさんがしないためにも、自戒の意味をこめて、改めて「素直さ」の大事さを強調したいと思います。