2011年3月13日日曜日

...but a nation begins its fightback

偶然見つけたイギリスの日曜高級紙、The Independentの見出しです。

Japan Earthquake: Towns vanish, thousands die – but a nation begins its fightback

「日本の震災:街は消え死者多数・・・しかし国民は立ち上がる」

イギリス人のJohn-Bull魂には教えられることが多いのですが、それでもこの控えめな表現の中にある力強い励ましの気持ちには今更ながらに感動を覚えます。

私は見ていないのですが、一面トップには「がんばれ日本、がんばれ東北!」と日本語で大きく書かれているそうです。

イギリス人は、わざと控えめな表現をする傾向があり、感動を感動のままストレートに表わすアメリカ人とは、

「違うなぁ」

と思うことがしばしばあります。

思い出すのは1945年5月のドイツ降伏を下院に報告したときのチャーチル首相の演説です。雄弁家をもって聞こえたチャーチル首相が、ドイツ降伏をどのような名演説で発表するか、国民は全身を耳にして聞き入っていました。

「本日ドイツ政府は降伏を申し入れた。従って対独戦争はこれをもって終了した。国王陛下万歳」

これだけだったのです。

時間にして20秒。雄弁も何も、形容詞は何一つ使っていません。
事実のみの伝達でした。

ですが、この演説はイギリス議会史上、歴史に残る「名演説」として長く人々の記憶に残ることとなりました。

リンカーンのゲティスバーグ演説もそうですが、人は本当に相手に感動を伝えたいと思う時は言葉少なになるのかもしれません。イギリス人はそれを彼らの長い歴史の中で知り尽くしているのでしょう。

それを思うと、上記の…but a nation begins its fightbackの部分に、私達への彼らなりの最大の励ましが込められているような気がします。

地震や津波に負けていられない…いや、負けてたまるか、そう強く思います。