2008年3月31日月曜日

映画「Terminal」

トム・ハンクス主演の「ターミナル」という映画をご存知でしょうか?東欧にある国(映画ですので勿論架空の国です)からアメリカの空港にたどり着いたヴィクターという青年が主人公の映画です。

彼ははるか昔の父親との約束を果たすためにアメリカにやってきます。ところが彼が空港についた途端、彼の母国が内乱で消滅してしまったというニュースが飛び込んできます。国と国との正式な関係があってこそのビザ(入国査証)であり、パスポートなわけですから、アメリカとしては(相手国が消滅してしまった以上)ヴィクターを入国させることができません。

帰る国がありませんので、ヴィクターは帰国することもできません。そんなわけで彼は空港の中で生活することを余儀なくされるということになります。

スピルバーグ監督の腕の冴えが見られる場面がいくつも出てくる「名作」だと思いますが、中でも私の心に残った場面は、トム・ハンクスが空港で知り合いになったある女性に対して「人生って、待つことだよ」というところでした。

In life, we always wait... wait for something, someone...という彼のセリフがとても印象的でした。

空港という場所は、いつでも誰かが動き回っているところです。動きながら、誰かを、そして何かを「待っている」場所です。

人生の縮図がそこにある、それを感じて映画にしようと思ったのだ、とスピルバーグ監督はMakingの中で語っていました。

自分が一人の人間として「受け入れられる」ことを待っているトム・ハンクス(ヴィクター)の、自分の「待つ」人生に対する積極的で楽天的で、深みのある態度には、教えられることが多いのです。

人生は待つこと、積極的に待つこと、それを教えてくれる映画です。こういう映画を見ると「いや~、映画って、本当にいいものですね~」と言いたくなりますね(笑)。