2009年6月1日月曜日

時の密度



毎年思うことですが、4月から5月までの時間の流れというのは「異常」の一言に尽きるようです。

入学希望者の学校見学⇒面接⇒学力チェックテスト⇒入学⇒授業開始⇒個別指導開始・・・と、つい先日学期が始まったばかりなのに、もう夏期講習と夏期合宿の募集時期になりました。また6月第1週は、「到達度テスト②」「全国模試マーク式①」があり、6日には医進塾懇親会、みんなで夕食(しゃぶしゃぶ)を食べに行きます。

こんな調子で時間が流れて行くと、試験に間に合うのだろうかと不安になるはずです。この時期になっての皆さんの面接での印象は「時間の経過の早さに圧倒されていますね」というものが殆どです。

確かに不安は不安なのですけれど、これが不思議なもので、学校や先生方の指導に乗ってきちんと勉強を(予習・復習含めて)やっている人にはその不安がかえって勉強への拍車となります。

2学期になると多くの人が気が付くことに「時間の密度」の問題があります。1時間は確かに同じ1時間です。1学期はその1時間で数学の問題が3題しかできませんでした。ふと振り返ってみるといつの間にか5題、6題ができるようになっています。しかもミスがありません。

英語も同様です。辞書から手を離せないくらい引きまくって読んだ英語のはずなのに、いつの間にか引く回数が減っています。引いた場合も的確に意味の把握ができるようになっており、1時間で300語読むのがやっとだったはずの自分が、今では500語、600語が平気で読めるようになっているのに気が付くのです。

これが「時間の密度」ということなのです。

全ての人間にとって時間は平等です。天皇陛下にとっても、アメリカ大統領にとっても、そして私たち日本に住む一般庶民にとっても24時間は24時間です。これを増やすことは不可能です。

ですが同じ1時間の「密度を濃くする」ことは可能です。同じ1時間の「仕事量」を増やすことは誰にでも(努力さえすれば)できることです。

受験勉強はつらいものです。でも時間の密度を濃くする訓練をしているのだと思えば、これほど後からの人生にとって有効な訓練期間というのも他にはありません。すぐ傍に各教科の先生方がいてくださって皆さんを見守ってくれているからです。

そんな風に考えると、これから残された10ヶ月にも余裕を持って対峙できるのではないでしょうか。