先週のHRで模試結果返却時にお話ししたことです。
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これから模擬試験の結果をお返しします。
今回の結果は,前回とは打って変わって殆どの皆さんにとって大変に
「厳しい」
結果となっています。
判定を見て落ち込む人もいるかもしれません。自分は何のために勉強をしてきたのか,とむなしさを感じる人もいることでしょう。
点数が取れないという「くやしさ」だけでなく,これだけやってもまだ点数に表れない・・・ということを本当に「苦痛」に感じる人もいると思います。
私はその「くやしさ」と「苦しみ」とが,皆さんの本当の成長,人間的にも学力的にも,に繋がってゆくものだということを知っています。そのことをはっきりと皆さんに伝えたいと思います。
思い通りにならないのが人生というものです。自分の努力がそのままストレートに認められるとしたら,そんなに楽しい人生はありません。ですが,「楽しい人生」から学べることは,実は驚くほど少ないのです。
なぜでしょう?
「楽しいだけの人生」には「くやしさ」も「苦しみ」もないからなのです。
人は「成功体験」を求めます。でも「成功」から学べることは本当に少ないのです。逆に人間は「くやしさ」と「くるしみ」からこそ,多くのことが学べるのです。
だから「くやしさ」と「苦しみ」をもてる限り,その人には「成長の可能性」があるということにもなるのです。
私は34年間の教職生活で,延べ2800人以上の生徒と接してきました。彼ら・彼女らを見てきて思うのは「くやしい」「くるしい」と,思える人は必ず,
「伸びる!」
このことです。
苦しみ,口惜しさを持ちたくない,感じたくないという理由で,不誠実な対応で結果に対する人もいます。問題をバカにしたり,「こんな問題は入試にでるはずがない」と言ってみたり,復習をせずに点数だけ見てそのまま得点表を捨ててしまったり・・・。
このような不誠実な対応をする人には,学力の向上や人格の成長などは夢のまた夢に過ぎません。
古来,「へらへら笑いながらまともな教育のできたためしはない」(今道友信・哲学者)からです。
「くやしさ」「くるしさ」を感じる人は,必ず伸びるのです。それが成長の「種」となるのです。どうかこの試験の結果をそのようなものとして,良くても悪くても,
「誠実に」
向かいあいましょう。
それが皆さんの本当の成長をさせてくれるものだと,私は確信しています。