2012年6月5日火曜日

HR講話

先週の土曜日は私がお休みをいただいた関係でHRを開催できませんでした。そのため昨日の16時から臨時HRを開催し,各種連絡を行いました。そこでお話しした内容です。

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皆さんこんにちは。

先週で5月が終わり,もう6月に入っています。4月16日に開講した1学期も,ちょうど半分が終わったということです。

1学期が半分終わった・・・そう聞くと愕然とする人も多いのではないでしょうか。塾長面接でもそのことを言うとみな一様に「え!」という表情になります。でもこれが事実なのです。

この一ヵ月半の勉強はいかがでしたか?おそらく現時点で「納得の行く勉強ができた,納得の行く点数が取れている」という人は,一人もいないと思います。理由はいままでにも何度か言ったとおり,「復習の不徹底」にあることは明らかです。

一学期の半分が終わった今,皆さんに考えてもらいたいことは「今までと同じ密度の勉強をしても学力の向上には結びつかない,得点の向上にはつながらない」ということです。「徹底した復習と定着」がこれからの非常に大事なポイントとなるのです。

「徹底した復習と定着」と言いますが,実際にはなかなか難しいものです。何よりも「目標として掲げる言葉が希薄」過ぎるのがその原因です。

そこで私は皆さんに

Sustainable Concentration 
『持続可能な集中力』


という言葉を覚えておいてもらいたいと思います。

人間の集中力というのは誠に希薄なものであって,たとえば私たちの目の前にあるものを置き,それを集中して見つめてください,と指示を出したとします。何分くらい見つめていられると思いますか?

心理学でよくやる「視点保持実験」というものです。その結果は,なんと!視点保持の持続可能時間は(何分ではなく)「30秒程度」だといわれているのです。

※これは人間にとって決して悪いことではありません。視点を常に変化させ,両眼から入ってくる情報を比較することにより,ものの「奥行き」であったり「距離感」というものを知覚できるのが人間の脳の優れた点であるからです。

今は「視点」のことをお話しました。皆さんに必要なのは単純な「視点」の固定の問題ではなく,脳全体を一つの問題の解法に向けて集中することです。その問題が求めている解をその問題の条件に合った形で提示できるように,少なくとも20分や30分は「集中」できなければなりません。

それが今お話した,sustainable concentration,「持続可能な集中力」ということなのです。

これは

「訓練」

で,だれでもできるようになりますし,

「訓練」

しなければ誰にもできません。

いきなり30分の集中が無理ならば,5分,10分から始めてもよいのです。自分の前にタイマーを置いて決まった時間内に問題を解くという「タイマースタディ」を私が強くお勧めする所以です。

「集中度の高い学習」があって始めて

「徹底した復習と定着」

が可能になります。

今までの皆さんの勉強に一番欠けていたのがこの「sustainable concentration」であったとすれば,逆にこの訓練を自分に段階を踏んで課すことで,これからの勉強の「質」を高めてゆくことが出来るはずです。

一学期の前半分と同じだけの時間が夏休み前にあります。今までと同じ質の勉強を繰り返しても,それは時間の無駄でしょう。これからの時間を有効に使い,1+1を2ではなく3にも4にも,あるいは5にも6にもしてゆけるのは,一つにかかってこの


Sustainable Concentration 
『持続可能な集中力』


にあるのだということ,このことを忘れないでいてもらいたいと思います。

これからの皆さんの努力に期待しています。