面白いお話しを聞きました。あるプロレーサーの方からです。
F1の競技中、ハンドル操作を誤ってコースから逸れ、最悪の場合壁に激突・・・というような危険に遭遇することが、プロであっても何度かあるそうなのです。
「そうなったらどうするのですか?」
という私の問いに、
「目の前の壁を見ずに、自分の視線を一度コースに戻すのです」
あ、このことだな!と感銘を受けました。
一つのことに集中して熱心に取り組んでいると、自分が隘路に入りこんでいることに気がつかないことがあります。
レーサーの場合は、壁にぶつかれば生命を失うのですから嫌でも気がつきますが、勉強の場合、はっきり気がつくのに時間がかかることもあるでしょう。
でも、しなくてもよいような危険を冒しているという点では同じことです。
そのようなときに先ほどの言葉、
「一度視線をコースに戻すのです」
は大変示唆に富んだものだと思います。
自分は何のために今勉強をしているのか、その
「本来のコース」
に自分の視線を戻して、そちらに自分の注意を向けることが、危険を避けるベストの選択なのだということなのでしょう。
壁だけを見つめていては、そこにぶつかって先に進めない(レーサーの場合、生命を失う)。だから無理やりにでも自分の視線を、本来の進行方向に戻す。
「壁だけを見つめていると、どっちの方向にどれだけハンドルを切るかがわからなくなり、かえって危険なのです」
入試という
「人生の一大事」
にも、全く同じことが言える、これは塾生に伝えなければ・・・、と改めて思ったお話しでした。