2008年5月26日月曜日

特別講座「英作文」

昨日25日(日)に「特別講座『基礎英作文』」が開講されました。文系・理系の塾生が予想よりも沢山参加してくれたのはとても嬉しいことでした。

最近は英作文があまり流行らず、高校や中学校でも英語を書かせるような指導にはそれほど力が入っていないような印象です。

私が高校生のころ(今から40年ほど前・(笑))は、週に一度ある「英作文」の授業はそれとは全く逆で、毎時間、ほぼ戦争状態でした。時間が始まる前から黒板に自分の英文を書いておくことが、誰からも強制されたわけではありませんが、ほぼ「義務」になっていました。

大きな黒板にぎっしりと書き込まれた生徒の英文を、授業が始まるとすぐ、先生が阿修羅のごとく添削してゆきます。

生徒はそれを一言も書きもらすまいと、必死になって書き写します。一回分が終わると書いた英文をきちんと音読して次に移ります。

一回目に書いた生徒とは別の生徒が次に英文を書きます。同じ生徒が書いても先生は何もおっしゃいませんでしたが、自分だけが添削指導をうけてはならず、なるべく多くの生徒が書くべきだというのが不文律でした。

一度に10人が答を書きますので、50分の授業で5~6回、合計60題前後の問題が添削・解答されるのでした。

添削が終わり、残りの時間が10分以下だと、先生から「じゃ質問に移ります」と声がかかります。その時間を使って、自分の答えの不明な部分、同義語、同意語などの差、言い回しのニュアンスの差などを確認します。

不思議なもので、このとき質問をちゃんとした英文というのは、今でもはっきり頭に残っています(No sooner had the thief seen a policeman, he ran away:警官を見るやいなや、泥棒は逃げ出した、という文章でした。私が高校生なって最初に覚えた英文です。今にして思えばヘンな文を覚えたものです・笑)。

指導の先生も、作文の時間に限ってはチャイムの鳴る前から教室の外で待っていて、チャイムがなるやいなや教卓の前にたち(礼はきちんとしますが)即座に添削に入ったものでした。1秒も無駄にしたくないという、先生の「迫力」に、私たち生徒は圧倒されたものでした。

その時間にやった英文は、次回に必ず小テストが実施されますので覚えなければなりません。家に帰ってからゆっくりと・・・などとやっていては覚えられないということが皆体験的に理解できていますので、何がなんても時間中に暗記する!!という気迫が教室には満ちていました。

私が先ほど「戦争状態」と言ったのはこのことです。先生の迫力と生徒のやる気がぶつかる「真剣勝負」の時間が、私にとっての「英作文」の時間でした。

あの一年で覚えた1500ほどの英文が、それからの私の勉強にどれほど役に立ったことか・・・。

教えていただいたN先生とは、それ以来お目にかかることがありません。でもN先生のことを私は忘れたことがありませんし、恩人の一人であるとも思っています。

N先生の数百分の一でもお返しができれば、私にとってはこんなに嬉しいことはありません。今でも私はそのつもりで授業をしております。