一途に勉強している塾生諸君には申し訳ないことですが、お休みを3日ほどいただきました。先日の合宿のときに腰をひねってしまい、そのままずっと痛みが去らずにちょっと困っていたところ、「とてもよい整体師さんがいる」といううわさを聞き、その方の治療を集中してうけるためにまとめて休暇をいただいたものです。
「なおりましたか?」と、今朝も一人の生徒に聞かれました。治ったか、といわれると「まだです・・・」としか言いようがありません。腰痛で何年も苦しんでいる人もいるくらいです。どんなによい治療でも2泊3日で治ったらそういう方に申し訳ありません(笑)。
治療をしながらいろいろな本を読みました(他にすることがありませんので^_^;)。普段時間がなくて読むことのできない本が「つん読」になっていたので、それを持って行ってまとめて読んでしまいました。文庫本で10冊くらい読んだでしょうか。
たまたまその中に城山三郎氏の『落日燃ゆ』がありました。経済小説という分野を確立したという定評のある城山三郎氏ですが、私は彼の作品の中でこれが一番気に入っています。「経済小説」という範疇に入るものではありませんし、最後はやはり悲劇なのでしょう。
広田弘毅という人の一生を通じて城山三郎氏が私たちに伝えたかったこと、それは「男子はどんな場所にあっても男子たれ」という一言につきるように思います。
人生が戦いであるとしたら、優勝劣敗は時の常です。勝つ人がいれば負ける人がいます。そのようなときに勝ち負けにこだわらない生き方をすることができるかどうかで、その人の「人としての価値」が決まってくるのでしょう。
一人の人間のその時の成功・失敗など、人間の長い長い歴史から見れば物の数ではありません。一瞬「失敗」!と思えたことが、後から振り返ってみて「大きな意味の成功だった」と思うようなことは人生に多々あることです。
今の失敗を次の成功につなげることができるだけの力を持ちたいと思います。それにはどんなことが起ころうとも、卑屈にならず、胸を張って生きる態度を養うことです。
受験勉強という期間をそんな風に生かしてくれたら、一件無駄に見えるこの一年が、後から振り返ってみたときに光り輝いて見えることでしょう。
そんな生活をしてもらいたい、させてやりたいと、強く思います。