もう朝夕はコートがいるくらいになっています。医進の自習室も暖房を常時入れておかないと肌寒いような感じがあとまで残ります。大勢ではないのですが、ちょこちょこ体調不良でお休みする人もいて、心配なところです。
獣医学部のAO入試、推薦入試、学士編入などが進んでいます。医進からも数名受験しますので、現在その準備と調整に時間がかかっています。
ここで決められれば「素敵なクリスマスと新年が迎えられる!」訳で、受験する人は真剣に向き合っています。一般入試を目指す人も、ここでまた気合を入れなおしてもらいたいものです。
「マジックナンバー」という言葉があります。プロ野球などで使われるときには「優勝まであと何回勝てばよいか」などの意味です。
私は勉強にもこの「マジックナンバー」があると思っています。
ある項目を「何度繰り返したら完全に自分のものになるか」という「定着必要回数」がそれに当たります。
ですのでこれは各自異なりますし、同じ人であっても項目によって異なります。あるいは教科・科目によって異なることもあり、多種多様ですが、やはり大きな目でみてその人なりの一定の平均値があることも否定できません。
私の場合は「100」です。
つまりどんなに難しい英文の暗記でも、難度の高いプレゼンテーションの練習でも、あるいはダンスのステップでも、空手の技でも、フルートの曲でも、
「100回くりかえす」
ことで、大体完全に自分のものにできるということです。
私は運動神経も良くはないし、語学の才能があるわけでもありません。音感も鈍いほうだと思います。でもそんな私であっても、同じことを
「100回くりかえす」
まで我慢すれば、一応人並みのことはできる、標準までは行けるということです。
今
「我慢」
といいました。これはまさに言葉の本当の意味において
「我慢」
なのであって、それまでは楽しいことなど
「まったくない」
と言っても過言ではありません。
要はそこまで「歯を食いしばって」でも
『我慢できるか』
まさにこのことなのです。
それがあるときふっと
「できるようになっている自分」
に気がつくのですが、このときのうれしさは
「言葉ではいえない」
ものです。
古来いろいろな人がこの段階までのことを様々に説明してくれています。心理学的には「機能的自律性」と言い、最近の言葉では「ピークイクスペリエンス」(マズロー)だの「フロー体験」(チクセントミハイ)などと言うこともあるようですが、大体みな同じものを指すと言ってもよいでしょう。
医進の塾生たちにも、自分の「マジックナンバー」を知ってもらいたいと思います。それがわかることで、自分はあとどのくらい勉強しなければならないかということが、おぼろげながらでもわかってくるからです。
今までの自分の体験を率直に振り返ってみて、自分の「マジックナンバー」を知ること、これは身長、体重、血圧等の数値を知ることと同様に、あるいはそれ以上に大事なことかもしれませんね。