以前も紹介したことがありますが、私の大好きな「致知」という雑誌から、最新号の記事の一部を紹介します。
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※『致知』最新号の注目記事
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対談「仁術の道は限りなし」
天野篤(順天堂大学医学部教授)&
南淵明宏(東京ハートセンターセンター長)
http://www.chichi.co.jp/monthly/201303_pickup.html
◆致知出版社の「人間力メルマガ」-----2013年2月27日 ◆
天皇陛下の心臓手術の執刀医として
全国にその名を知られることになった
天野篤医師。
現在発行中の『致知』3月号に、
その天野医師の盟友であり、
ライバルでもある南淵明宏医師との対談が掲載され、
反響を呼んでいます。
本日は、天野医師が語られた
「プロ野球優勝の法則」という
興味深いお話をご紹介します。
┌───今日の注目の人───────────────────────┐
「プロ野球優勝の法則」
天野篤(順天堂大学医学部教授)
『致知』2013年3月号
特集「生き方」より
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【天野】 私も34歳の時、先生と同じように
「明日から来なくていい」と言われ、
全くゼロの状態になりました。
新東京病院も須磨先生という後ろ盾があるにせよ、
新興で、大病院などにどう立ち向かっていくか
思案しましたが、そこはやっぱり若さで
乗り切れたと思うんです。
そしてその1年くらいの中で確信したのが
「プロ野球優勝の法則」というものでした。
【南淵】 ほぉ、なんですか、それは。
【天野】 野球のペナントレースでは
勝率5割5分で優勝するチームもあれば、
4割5分で最下位に沈むチームもある。
要するにプラスマイナス十%の差で、
全部掴むか、全部失うかが決まるんです。
外科手術も、この10%、
場合によっては5%をどう出し入れし、
自分のほうへ引き寄せられるか、
それによって明暗が決まるのだと。
【南淵】 なるほど。その5%をいかに引き寄せるかですね。
【天野】 そのために大切なのは、相手をよく観察することです。
アンテナを張って情報をとにかく収集し、
これまでの経験と知識を総動員して3秒で判断する。
3秒で次の一手を考える。
【南淵】 判断は数秒でも、大事なのはその前に
必ず「観察」があるということでしょうね。
新東京病院で一緒に仕事をさせていただいた時も、
お互いやり方が細かいところで違っていたのですが、
先生はそれに対して何も言わずにずっと観ているんですよ。
へえ、そうやるのか、そうなるのかと、
常に観察をされていた。
【天野】 私は俯瞰と表現していますが、手術中でも、
もう一人の自分が鳥のように
ビューッと上に上がっていって、
「こうしろ」と体に指令を出すんです。
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「天皇陛下の執刀医」という「肩書き」がこれから一生ついて回る天野先生ですが、その先生ほどの方でも、不遇の時代もうまく行かないときもあったということです。
大事なことは、その「不遇の時」をどのように生きるかということだと思います。そこで気持ちが負けてしまってはダメで、その時期を「自分を高める時期」と捉えてこそ、その後の大きな飛躍と飛翔とがあるように思います。
考えてみるとこれは受験勉強とまったく同じことなのですね。
一番苦しい今の時期を、歯を喰いしばって先に進むこと、これが塾生に大きな成長をもたらすものだと思います。
私たちも最後まで指導の手を緩めないつもりでおります。