2008年9月13日土曜日

難問・奇問病(笑)

毎年この時期になると気持ちの焦りからか、やたらと難しい問題に挑戦したいという生徒が増えてきます。「難しい問題」と言ってもいろいろあります。そのような生徒のやりたがるのが、いわゆる「難問・奇問」と呼ばれているもので、正統派の勉強をしている人から見ると「際物(きわもの)」にしか見えないものがほとんどです。

実際に入試の過去問を見ても、そのような問題の出題頻度が必ずしも高いとは限りませんし、調べてみれば分かるように、むしろレアケースがほとんどです。レアケース、つまりその問題が出来なくても合格にはほとんど関係がないということです。

この時期の塾生の気持ちは、分からないではありません。今までの自分の勉強の成果を、難しい問題を解くことで試してみたいという「心情」は、受験生なら当然のことです。

ですが「ちょっとまて!」と言いたい気持ちが、私には強くあります。

いまだに文法の問題で思わぬミスをする人がいます。答えを板書させると3-単ー現のSを付け忘れて注意される人がいます。英語だけではなく数学でも(考えられないことですが)プラスとマイナスを付け忘れたり、逆につけたりというミスがいまだに後を絶ちません。

このような人にとって一番必要なのは、難しい問題を解いて一人で悦に行っていることではありません。むしろ「誰にでもできる、当たり前の問題」を取りこぼさないように、最善の努力をし、注意を払うことです。

一見やさしい問題だからと言って油断すると足をすくわれることが多いのが入試というものです。この時期はじっくりと腰をすえて、一見やさしそうに見える問題できちんと満点が取れるような練習をすることが第一なのではないでしょうか?

やさし目の問題を「早く、たくさん、正確に」解いているうちに、自然と頭の中に蓄えられてくるものが本当の「応用力」というものです。その応用力を試すにはまた別の方法があります。でもそれは決して、誰もできないような、入試問題としては不適格ともいえるような問題を解くことではありません。

そのあたりは指導の先生の指示に従ってもらいたいと思います。

難しい問題にぶつかってみることはとても大事なことではありますが、それが「不安の裏返し」だとしたら大きなマイナスにしかならないものです。

この辺りのことを、これからの面接では説明・指導してゆくことになるでしょう。

いよいよこれからが本番です!