2013年9月13日金曜日

感情との競争

私のところには、毎日いろいろな人からブログやポストの記事が送られてきます。
全部を読むわけではありませんが、信用できる人からの転送はそれなりに注意を払ってよく読むようにはしています。

今日はこんな記事が送られてきました。

「目標を達成し、人生を楽しむためにはポジティブシンキングが大切で、ネガティブな考えは有害である考えがちだ。しかし、一概にそうも言えないことがわかってきた。最近の研究では、ネガティブな感情や考えをうまく操れば、身体だけでなく、精神衛生的にもいいという。

 ネガティブな考えは、体験したことを理解したり、評価したりするのに大事な役割を果たすもので、これを無理に抑え込もうとしたり、考えないようにしよう とすると、望ましい結果が得られないことがある。さらに、過去の研究では、ポジティブなことと健康の因果関係は証明されなかったという。つまり、健康であ ることがポジティブシンキングを導き出したのであって、その逆ではないということだ。心理学者のマーティン・セリグマンは、極端な楽観主義は直視しなくて はならない現実をきちんと見ないことがあると言っている

 だからといって、いつも悪いムードに苛まれていて、なんでも悪いほうにしか考えないことがいいと言っているわけではない。ネガティブな考えや感情をよく知り、それをうまく処理することで、より良い人生につなげていかなければならない。」

######

「コロンビア大学の最近の研究によると、自分の感情を強く信じる人は未来の出来事を正確に言い当てる傾向があるという。これは、感情によるお告げ効果と呼ば れる現象で、2008年のアメリカ大統領選や、アメリカンアイドルの優勝者、天候などさまざまな事柄についての予測を調べた結果を踏まえたものだ。その結 果、自分の感情を絶対的に信じる人ほど、潜在意識下に蓄えている情報にアクセスできる特別な窓をもっているようだ。

 これは感情のシステムが、これまで考えられていたよりも高度に意思決定や情報処理ができる可能性を示していて、感情の推進力が単なる生き残りの本能よりも緊密に結びついているということを示している。私たちがどう情報を管理しているのかを知るキーになるかもしれない。 」

ーーーーーーー

全く同感、というところでしょうか(笑)。

「ポジティブシンキング」という言葉には、大学で心理学を専攻したものとしてかなり抵抗がありました。また医進の生徒の勉強プロセスを見ていても、成功にまで到達した人たちは、必ずしも100%のポジティブシンカーというわけではなかったからです。

もちろん人の何気ない言葉や態度に、必要以上に傷つくような「ネガティブシンキング」がよいというのではありません。

そうではなく、何がなんても、いつもポジティブに・・・という考え方が、私にとっては極めて胡散臭いものに映ったからです。

人間の感情は、現在かなりの部分にまで研究のメスが入っており、特にここ数年のMRIの技術の発達により、何かをしているときの人間の頭のなかを

「直に」

覗くことができるようになってきています。

それらの研究結果を総合的に(現時点で)まとめてみると、結論は、

「感情を完全に制御することは不可能だが、それのマイナスの影響を受けないようにコントロールすることは可能。 そしてその練習が人間に成熟をもたらす」

という、極めて

「常識的」

なものなのです。

感情を持たないロボットになるのではなく、感情のゆれに苦しみながらもそれをコントロールする努力を通してのみ、人間は大人になれる・・・。

これは世の東西、歴史の今昔を問わず、

「当たり前」

 のことですよね。

医進の生徒にはこの当たり前のことを当たり前にきちんとやるように、努力を重ねさせてゆきたいと願っています。